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「副業の分の住民税が会社の給与から天引きされると、副業していることに気づかれないか心配」という会社員は多いのではないでしょうか。
副業の所得が給与以外(雑所得や事業所得など)であれば、確定申告のときに副業分の住民税を「自分で納付(普通徴収)」に分けるよう選択できます。この記事では、その具体的なやり方と、選んでも普通徴収にならないケースなどの注意点を、国税庁や自治体の公式情報をもとにまとめます。
副業の始め方や全体の注意点は、会社員の副業の始め方|月3万円を安全に目指す手順でまとめています。
私は以前、経理の実務を22年経験しました。その経験もふまえ、国税庁や自治体の公式情報で確認しながら解説します。
この記事でわかること
- 住民税の「特別徴収」と「普通徴収」の違い
- 「自分で納付」を選べる所得・選べない所得
- 確定申告書(第二表)での選び方
- 選んでも普通徴収にならないケース
結論:確定申告書の第二表で「自分で納付」にチェックする
最初に結論です。副業分の住民税を自分で納めたい場合は、次の3点を押さえておきましょう。
- 確定申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」にある「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」を選ぶ
- 確定申告は期限内に提出する
- 対象になるのは給与・公的年金以外の所得(雑所得・事業所得など)で、アルバイトなど給与所得の副業は原則として対象外
ただし、選択しても条件によっては普通徴収にならないことがあります。詳しくは後半の注意点で解説します。
住民税の「特別徴収」と「普通徴収」の違い
住民税の納め方には、大きく分けて2種類あります。
| 納め方 | 仕組み | 主な対象 |
|---|---|---|
| 特別徴収 | 会社が毎月の給与から天引きして納める | 会社員の給与にかかる住民税 |
| 普通徴収(自分で納付) | 自治体から届く納税通知書で、自分で納める | 個人事業主、給与以外の所得など |
会社員の場合、何もしなければ副業分の住民税も本業の給与分とまとめて特別徴収されるのが一般的です。その場合、会社に届く住民税の通知額は副業分を含んだ金額になります。
「自分で納付」を選ぶと、副業分の住民税は自宅に届く納税通知書で別に納める形になります。普通徴収の納期は自治体によって異なりますが、一般的には6月・8月・10月・翌年1月の年4回に分けて納めます。
「自分で納付」を選べる所得・選べない所得
「自分で納付」を選べるのは、確定申告書の欄の名前のとおり「給与、公的年金等以外の所得」にかかる住民税です。
| 副業の例 | 所得の種類(一般的な例) | 自分で納付 |
|---|---|---|
| Webライティング、ブログ、スキル販売などの業務委託 | 雑所得・事業所得 | 選べる |
| アルバイト・パートなど雇用契約の副業 | 給与所得 | 原則として選べない |
アルバイトなど給与所得の副業は、自治体によって本業の給与とまとめて特別徴収される扱いが一般的です。副業の契約形態がどちらに当たるか分からない場合は、報酬の支払い元から届く書類(源泉徴収票か支払調書か)や契約内容を確認しましょう。
確定申告で「自分で納付」を選ぶ手順
確定申告の方法別に、選ぶ場所を確認しましょう。
手順1|紙の確定申告書の場合
- 確定申告書の第二表を用意する
- 下部の「住民税・事業税に関する事項」欄を探す
- 「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」に○をつける
- 申告期限内に税務署へ提出する
手順2|e-Tax(確定申告書等作成コーナー)の場合
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、計算結果を確認する画面のあとに住民税等に関する入力画面が表示されます。給与・公的年金以外の所得がある場合は、そこで「特別徴収(給与から差引き)」か「自分で納付」かを選べます。
なお、国税庁のFAQによると、所得が給与・公的年金だけの場合はこの選択項目は表示されず、原則として特別徴収になります(参考:e-Tax よくある質問)。
手順3|副業所得が20万円以下で確定申告をしない場合
副業の所得が年間20万円以下などの理由で所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告は別途必要です。この場合は、お住まいの市区町村に住民税の申告書を提出し、その際に副業分の徴収方法を「普通徴収」にしたい旨を伝える・記入するのが一般的です。様式や手続きは自治体ごとに異なるため、市区町村の住民税担当窓口やホームページで確認しましょう。
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「自分で納付」を選んでも普通徴収にならないケース
「自分で納付」にチェックしても、必ず普通徴収になるとは限りません。たとえば東京都文京区は、特別徴収になることがあるケースを案内しています(参考:文京区「副業がある場合の徴収方法について」)。
それは、副業の所得を足しても、住民税が「本業の給与だけで計算した額」より増えない場合です。
「自分で納付」は、副業によって増えた分の住民税を、本業分とは別に自宅あてに請求してもらう仕組みです。そのため、副業を足しても住民税が増えなければ、別に納める「副業の分」がなく、住民税は全額が給与からの天引き(特別徴収)のままになります。たとえば次のようなケースです。
- 副業が赤字(所得がマイナス)だった
- 医療費控除など確定申告で追加した控除が大きく、副業の所得を足しても住民税の合計が増えなかった
また同区は、確定申告期限内に申告書を提出したうえで「自分で納付」を選択するよう案内しています。期限を過ぎてから申告すると、希望どおりにならない可能性がある点にも注意が必要です。
取り扱いは自治体によって異なる場合があります。不安な場合は、申告前にお住まいの市区町村へ確認しておくと安心です。
申告後に確認しておきたいこと
申告して終わりではなく、住民税の通知が届く時期に次の点を確認しておきましょう。
- 自宅に、副業分の住民税の納税通知書が届いているか
- 会社経由で受け取る住民税の決定通知書の金額が、本業の給与分だけになっているか
- 普通徴収の納期限(年4回など)をカレンダーに登録したか
普通徴収は自分で納めるため、うっかり納め忘れると延滞金がかかることがあります。口座振替やスマホ決済に対応している自治体も多いので、納め方もあわせて確認しておきましょう。
よくある質問
Q. 「自分で納付」にすれば会社に絶対バレませんか?
A. 絶対とは言えません。前述のとおり普通徴収にならないケースがあるほか、職場での会話やSNSから知られることもあります。そもそも勤務先が副業を禁止している場合は、就業規則を優先しましょう。副業を知られる原因と対策はこちらの記事でも解説しています。
Q. 住民税の金額は変わりますか?
A. 変わりません。納め方が変わるだけで、納めるべき住民税の額そのものは同じです。
Q. 副業所得が20万円以下なら何もしなくていいですか?
A. 所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要です。「20万円以下は申告不要」というルールは所得税の話なので、混同しないようにしましょう(参考:国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人)。
住民税の申告のやり方は、副業20万円以下でも住民税の申告は必要|方法と注意点をご覧ください。
確定申告書の作り方全体は会社員の副業 確定申告のやり方、経費の考え方は副業の経費にできるもの一覧で解説しています。
副業の税金をまとめて確認したい方は、会社員の副業と税金まとめで、状況別に読むべき記事を紹介しています。
まとめ|期限内の申告と「自分で納付」の選択がポイント
- 副業分の住民税は、確定申告書第二表で「自分で納付」を選ぶ
- 対象は給与・公的年金以外の所得(雑所得・事業所得など)
- 確定申告は期限内に提出する
- 20万円以下で確定申告しない場合も、住民税の申告は必要
- 選択しても普通徴収にならないケースがあるため、不安なら市区町村に確認する
住民税の納め方は、副業を安心して続けるための大事なポイントです。申告の時期に慌てないよう、収入と経費は日頃から記録しておきましょう。
※本記事は2026年10月時点の国税庁・自治体の公開情報をもとに作成しています。税務上の判断は個別の状況により異なるため、最終的には税務署・お住まいの市区町村・税理士にご確認ください。

