副業の経費にできるもの一覧|パソコン・通信費・家賃はどこまで?

副業の経費にできるもの一覧 副業の税金

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「副業で使ったものなら、何でも経費にできる」と思っていませんか? 経費にできるのは、副業の収入を得るために必要だった支出だけです。反対に、正しく経費に入れれば、そのぶん所得が減り、税金も少なくなります。

この記事では、会社員の副業で経費にできるもの・できないものを一覧で整理し、パソコンや家賃のように「プライベートと共用しているもの」の考え方を、国税庁の公式情報をもとにまとめます。

私は以前、経理の実務を22年経験しました。その経験もふまえ、国税庁や自治体の公式情報で確認しながら解説します。

この記事でわかること

  • 経費にできるもの・できないものの一覧
  • パソコンの経費の入れ方(金額による違い)
  • スマホ代や家賃など共用しているものの按分
  • 経費の方が多い(赤字)ときの注意点

経費にできるのは「副業の収入を得るために必要な支出」

国税庁は、必要経費を「収入を得るために直接要した費用」や「業務上の費用」と説明しています(参考:国税庁 No.2210 やさしい必要経費の知識)。

経費が増えると、確定申告の判定や税金の計算に使う「所得」が減ります。

所得 = 収入(売上) - 必要経費

判断の基準は「その支出がなければ副業の収入を得られなかったか」です。迷ったら、副業との関係を説明できるかどうかで考えましょう。

副業の経費にできるもの一覧

会社員の副業(Webライティング、ブログ、スキル販売など)でよくある経費の例です。

項目 具体例 ポイント
パソコン・周辺機器 パソコン、モニター、キーボード、プリンター 10万円以上は分けて経費にする(後述)
通信費 インターネット回線、スマホ料金 プライベートと共用なら按分
ソフト・サービス利用料 有料のAIツール、画像編集ソフト、会計ソフト 副業で使う分
ブログの運営費 サーバー代、ドメイン代、有料テーマ ブログで収入を得ている場合(費用の例はブログの始め方)
手数料 クラウドソーシングのシステム利用料、振込手数料 報酬から差し引かれる分も含む
書籍・学習費 副業に関する本、オンライン講座 副業の内容に直接関係するもの
消耗品 文房具、インク、USBメモリ 副業で使った分
交通費 打ち合わせや取材の電車代 移動の目的を記録しておく
家賃・電気代 自宅で作業する場合の一部 按分が必要・根拠を残す

クラウドソーシングの手数料に注意

クラウドソーシングでは、報酬から手数料が差し引かれて振り込まれることがあります。この場合、手数料を引く前の報酬額を収入とし、手数料を経費にするのが基本的な考え方です。振込額だけを収入にしていると、収入と経費の記録がずれてしまうので注意しましょう。

出金するときの振込手数料も同じです。私がクラウドワークスでライティングの仕事を受けたときは、報酬1,320円(税込)からシステム利用料290円が差し引かれ、さらに出金時に振込手数料500円がかかります。このような場合も、報酬1,320円を収入、システム利用料と振込手数料を経費として記録します。

なお、クラウドワークスの振込手数料は、受け取り口座が楽天銀行なら100円、それ以外の銀行は500円でした(私の利用時点)。少額の報酬だと手数料の割合が大きくなるので、これからクラウドソーシングを始めるなら、受け取り口座を楽天銀行にしておくとお得です。手数料は変わることがあるため、最新の金額はクラウドワークスの公式サイトで確認してください。

AIツールの有料プランも経費になる

ChatGPTなどの生成AIの有料プランも、副業で使っている分は経費にできます。私はChatGPTの有料プランを使い、記事の構成や文章のたたき台を作ってもらっています。そこに自分の体験や気持ちを加え、最後に体裁を整えてもらう、という使い方です。

ただし、プライベートの調べものなどにも使っている場合は、副業で使った割合の分だけを経費にします(後述の「按分」を参照)。

経費にできないもの

  • プライベートの支出:普段の食事代、私服、趣味の買い物など
  • 本業のための支出:会社の仕事で使うものは副業の経費になりません
  • 所得税・住民税:税金そのものは経費になりません
  • 罰金・交通違反の反則金など
  • 副業の収入につながらない支出:「いつか副業に使うかも」で買ったものなど

国税庁も、所得税・住民税や罰金などは必要経費にならないと案内しています(参考:前掲の国税庁 No.2210)。

ポイ活で得たポイントの税金の扱い(一時所得になるケースなど)は、ポイ活は副業になる?確定申告が必要なケースと会社にバレるかで解説しています。

パソコンは金額によって経費の入れ方が変わる

パソコンのように長く使うものは、買った金額によって経費への入れ方が変わります(参考:国税庁 No.2100 減価償却のあらまし)。

購入金額 経費の入れ方
10万円未満 使い始めた年に全額を経費にできる
10万円以上20万円未満 3年間で3分の1ずつ経費にする方法(一括償却資産)を選べる
10万円以上 原則として耐用年数(パソコンは4年)に分けて少しずつ経費にする(減価償却)
10万円以上40万円未満
(2026年3月31日までの購入は30万円未満)
青色申告をしている人だけ、全額をその年の経費にできる特例がある(少額減価償却資産の特例)

たとえば15万円のパソコンなら、一括償却資産を選ぶと1年あたり5万円ずつ、3年かけて経費にします。

「30万円まで一括で経費」は青色申告の人だけ

「パソコンは30万円まで一括で経費にできる」と聞いたことがある方も多いと思います。これは青色申告をしている人向けの特例です(2026年4月1日以降に買ったものは40万円未満に拡大されています)。

青色申告ができるのは、事業所得・不動産所得・山林所得がある人です。会社員の副業の多くは雑所得として申告するため、青色申告はできず、この特例も使えません。

副業を雑所得で申告する会社員の場合、パソコンを一度に全額経費にできるのは10万円未満まで。それ以上は、3年または4年に分けて経費にします。

副業の規模が大きくなり、開業届を出して事業所得として青色申告をする場合は、この特例を使える可能性があります。事業所得になるかどうかは収入の規模や継続性などで判断されるため、迷ったら税務署や税理士に相談しましょう。

また、パソコンをプライベートでも使っている場合は、次に説明する「按分」をして、副業で使う割合の分だけを経費にします。

プライベートと共用しているものは「按分」する

スマホ代や自宅の家賃・電気代のように、プライベートと副業の両方で使っているものは、副業で使った割合の分だけを経費にします。これを「按分(あんぶん)」といいます。

国税庁は、こうした支出(家事関連費)について、業務に直接必要だったことが明らかに区分できる金額に限って経費にできるとしています(参考:前掲の国税庁 No.2210)。つまり、割合に根拠があることが大切です。

按分の考え方の例

  • スマホ・ネット回線:使用時間のうち副業に使った時間の割合で計算する
  • 家賃:作業スペースの面積が部屋全体に占める割合で計算する
  • 電気代:副業の作業時間の割合などで計算する

たとえば、月8,000円のスマホ代で、使用時間の約2割が副業なら、8,000円×20%=1,600円を経費にする、という考え方です(数字はあくまで計算の例です)。

「なんとなく5割」ではなく、作業時間のメモや部屋の面積など、割合の根拠を残しておきましょう。

なお、会社員の副業で家賃を経費にする場合は、作業専用のスペースがあるかどうかなど、実態に合っているかがより厳しく見られる点に注意してください。

経費の方が多い(赤字)ときの注意点

副業を始めたばかりで、パソコンなどを買って経費が収入を上回ることもあります。ここで注意したいのは、副業が雑所得の場合、赤字を本業の給与と相殺することはできない点です。

国税庁は、雑所得などで生じた損失は、他の所得から差し引くことができないと説明しています(参考:国税庁 No.2250 損益通算)。「副業の赤字で、会社で引かれた税金が戻ってくる」ということは、雑所得では起こりません。

赤字の場合は所得が0円以下なので、「20万円を超えたら確定申告」の条件にも当てはまりません。確定申告が必要かどうかの判定は、会社員の副業 確定申告のやり方で解説しています。

経費を正しく入れるための記録のコツ

  • 領収書・レシートを保管する:ネットで買ったものは購入履歴や明細を保存
  • 副業用の口座やカードを分ける:プライベートの支出と混ざらず、集計が楽になる
  • 毎月まとめて記録する:1年分を後から集めるのが一番大変
  • 按分の根拠をメモしておく:作業時間や面積など

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よくある質問

Q. 副業を始める前に買ったパソコンも経費にできますか?

A. 以前から持っているパソコンを副業に使い始めた場合も、減価償却の考え方で経費にできる場合があります。ただし計算が複雑になるため、税務署や税理士に確認すると安心です。

Q. 経費が20万円以下の副業でも記録は必要ですか?

A. 必要です。経費を引いた所得で確定申告や住民税の申告の要否が決まるため、金額に関係なく記録しておきましょう。所得が20万円以下でも住民税の申告は必要です(詳しくは副業20万円以下でも住民税の申告は必要)。

Q. レシートをなくしてしまったら?

A. クレジットカードの明細や購入履歴など、支払いを確認できる記録を代わりに残しておきましょう。日頃から保管する習慣をつけるのが一番です。

副業の税金をまとめて確認したい方は、会社員の副業と税金まとめで、状況別に読むべき記事を紹介しています。

まとめ|経費は「副業との関係」と「記録」がすべて

  • 経費にできるのは、副業の収入を得るために必要な支出だけ
  • プライベートの支出、本業の支出、所得税・住民税は経費にならない
  • パソコンは10万円未満なら全額、10万円以上は分けて経費にする(「30万円まで一括」は青色申告の人だけ)
  • スマホ代や家賃など共用のものは、根拠のある割合で按分する
  • 雑所得の赤字は本業の給与と相殺できない

経費を正しく入れれば、そのぶん税金を抑えられます。日頃から領収書と按分の根拠を残しておきましょう。副業の始め方全体については、会社員の副業の始め方|月3万円を安全に目指す手順もあわせてご覧ください。

※本記事は2026年10月時点の国税庁の公開情報(令和8年4月1日現在法令等)をもとに作成しています。経費になるかどうかは個別の状況によって異なるため、判断に迷う場合は税務署・税理士にご相談ください。

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